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ウミガメの神秘



浦島太郎の物語にも登場するウミガメは、昔から日本人にとって馴染み深い生き物です。飼育している水族館も多く、徳島県のウミガメ産卵地にある「日和佐うみがめ博物館」や、「名古屋港水族館」のウミガメ繁殖研究施設など、ウミガメに特化した施設もあるほど。現在、細かく分類すると8種のウミガメが確認されていますが、その生態にはいまだ解明されていない不思議な点もあります。

生息域は、沿岸と外洋回遊の2タイプ

生息域は、沿岸と外洋回遊の2タイプ

ウミガメは熱帯から温帯にかけての暖かい海域に生息しています。種によって生活環境が異なり、タイマイという種は沿岸からあまり離れず、浅いサンゴ磯でエビやカニ、カイメンなどを食べて暮らしています。アオウミガメは同じような浅い海域に生息していますが、アマモなどの海草類が主食です。一方、アカウミガメやオサガメは外洋を長距離にわたって回遊し、アカウミガメは貝類やエビ&カニを、オサガメはクラゲなどを食べます。それぞれの種が棲み分けをしながら、上手に暮らしているのです。

命がけの産卵は、1シーズンに3~4回

命がけの産卵は、1シーズンに3~4回

夏が近づくと、ウミガメは産卵期に入ります。この産卵が、命がけの重労働。暑い日中を避け、夜、砂浜に上陸すると、地面に接する皮膚の感覚を頼りに、最適な産卵場所を探します。場所が決まると、前脚を使って地ならしをし、それから後脚を交互に動かしながら、20~30分かけて約60センチの深さまで穴を掘ります。後脚が穴の底に届かなくなったところで、ようやく産卵のはじまり。卵は尾の下側にある総排泄腔から、約100個も産み落とされます。産卵が終わると前脚で砂をかけ卵を隠し、親ガメは海へと戻っていきます。陸に上がってから海へ戻るまでの時間は1~2時間。時には産卵が長引き、力尽きて太陽の熱で死んでしまうこともあります。ウミガメは、この過酷な産卵を1シーズンに3~4回も繰り返すのです。

産卵時の涙は海水の塩分

産卵時の涙は海水の塩分

産卵時に親ガメが涙を流すことは、よく知られています。その姿に同情したり、時には感動したりしますが、ウミガメにとっては生理学上とても重要な意味を持ちます。涙のように見える液体は、実は海水中の塩分。ウミガメは餌と一緒に海水を飲み込むので、過剰な塩分を排出しなければいけません。その分泌管が目の部分にあるため、まるで涙を流しているように見えるのです。涙の正体が分かってもなお、私たちがウミガメの産卵の姿に感動するのは、それだけ産卵が神秘的だからかもしれません。

ふ化の温度でオスとメスが決定

ふ化の温度でオスとメスが決定

ウミガメを含むカメ類と、ほぼ全部のワニ類、そして一部のトカゲ類は、ふ化する時の温度でオスとメスが決まる不思議な生態の持ち主です。ウミガメの場合、種や産卵地によって違いはありますが、高温だとメスが産まれ、オスとメスが同じ割合で産まれる温度よりも低いとオスが産まれます。およそ29℃~32℃というわずかな差で性別が分かれるのです。はるか昔から生き延びているウミガメが、なぜふ化温度で性別が決まるのか、いまだ謎のままです。