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不老不死のクラゲ



水族館の少し暗めの水槽内を、ユラユラと泳ぐクラゲたち。そんな幻想的な姿に癒される人も多いのではないでしょうか? クラゲはその姿同様、生態も神秘的。暖かい海から冷たい海、深海や淡水にも生息していて、発光するものもいます。なかでも最も不思議な生態を持つのが、体長1センチにも満たないベニクラゲ。「不老不死のクラゲ」として話題を集め、研究が続けられています。

固着性の"ポリプ"から浮遊性のグラゲへ成長

固着性の

不老不死のベニクラゲについて紹介する前に、まずはクラゲの一生にについて知っておくと分かりやすいかもしれません。ほとんどのクラゲは、浮遊生活をする「クラゲ時代」と、何かにくっついて生活をする「ポリプ時代」と呼ばれる時期があります。はじめにメスの保育嚢(のう)で育った受精卵は、幼生となって泳ぎ出し、海底の岩などにくっつきます。すると先端に触手が伸びて、イソギンチャクに似た姿の"ポリプ"へと変形します。ポリプは体が2つに分かれる分裂や、新しいポリプが生えてくる出芽によって増殖し、遺伝子が同じ個体の集団をつくります。その後、ホリプの体がくびれて花びらが重なったような姿になり、この花びらが一つずつ離れるようにしてクラゲの赤ちゃんが泳ぎ出します。そして次第に大人のクラゲになっていくのです。

ポリプ→クラゲ→ポリプを繰り返すベニクラゲ

ポリプ→クラゲ→ポリプを繰り返すベニクラゲ

なぜベニクラゲは不老不死と言われるのでしょうか? 普通のクラゲは子孫を残したら死んでしまいますが、ベニクラゲは死んだような状態からポリプに戻ることができるのです。そして再び赤ちゃんクラゲとなって成長をとげます。一度、大人になったクラゲが、触手を縮めサイズを小さくしてポリプに戻る、いわば若返りを繰り返すことが、不老不死と呼ばれる理由です。この現象は地中海に生息するベニクラゲで発見され、日本でも2001年にかごしま水族館ではじめて確認されました。

不老不死は種の保存のための戦略?!

不老不死は種の保存のための戦略?!

成体になったクラゲからポリプに戻るには、丸2日かかります。この2日間で新たな寿命を手に入れるわけですが、すべてのベニクラゲが死なないわけではありません。成体でも体長は1センチ足らずなので、ポリプの時もクラゲの時も常に補食される危険にさらされています。その中で生き延びてきた個体だけが、若返ることができるのです。自然界では、生き残るために擬態したり、他の生き物と共生したり、あるいは堅い甲羅や毒を持って身を守る生き物がいます。ベニクラゲも不老不死の体を手に入れることで、おそらく種の保存に努めているのでしょう。そして今後、ベニクラゲが若返るメカニズムの研究がさらに進めば、いつか"不老不死の薬"が誕生するかもしれません。そんな可能性を秘めたベニクラゲは、まさに海の神秘の象徴です。