名古屋港水族館

名古屋港水族館は愛知県名古屋市の名古屋港にある大規模な公立水族館で、スケールは本州最大級と言われています。イルカやシャチなど、クジラ類の飼育や展示に力を入れており、彼らの迫力あるショーは名古屋港水族館の顔とも言えるでしょう。また、パフォーマンスが行なわれている野外水槽も世界最大級。収容人数も約3,000人と大規模です。これらがある「北館」と、日本・赤道周辺・深海・オーストラリア・南極と5つの地域に住む生物を見て楽しく学べる「南館」の2つで名古屋港水族館は構成されています。

高速道路からも駅からも近い名古屋港水族館は、アクセスがスムーズなのも人気の理由のひとつ。車の場合駐車場は「ガーデンふ頭駐車場」「ガーデンふ頭西駐車場」の利用がおすすめ。公共機関の場合は、地下鉄を利用し「名古屋港駅」で下車。駅からは徒歩5分程度で施設に到着となります。

施設周辺には、ショッピングモール「JETTY」や、港の役割を楽しく学べる「名古屋海洋博物館」、18年もの長い旅を終え南極から帰ってきた「南極観測船ふじ」が。また、羽を広げたかもめをイメージして設立された休憩所「ポートハウス」などがあり、名古屋港水族館の他にも魅力あふれる施設で楽しむことができます。

北館2階にある入り口を入ってすぐに目に飛び込んでくるのが、巨大なイルカの水槽。このフロアには捕鯨生物が展示されており、シャチやゴマフアザラシ、ベルーガなどの愛らしい姿を見ることができます。北館のテーマは「35億年遥かなる旅〜ふたたび海へ戻った動物たち」。生命の進化を踏まえた深い解説とともに、生物の姿を観察してみましょう。

そして名古屋港水族館と言えば、やはり「イルカパフォーマンスショー」が有名。北館3階のイルカスタジアムで行なわれるこのショーは、イルカとトレーナーの息の合った迫力満点の演技に、思わず歓声を上げる方も少なくありません。イルカのプールから近い列に座っている人たちは、ずぶ濡れになる程の勢いがあります。子どもから大人まで、家族皆が必ず笑顔になることでしょう。

南館は、入った瞬間に南極に来たのかと錯覚してしまうことも。テーマが「南極への旅」であるため、岩の作りや背景ひとつ一つが非常に精巧に再現してあります。その他にもまるでアートを見ているようなマイワシのトルネードや、平成28年（2016年）にリニューアルされたのサンゴ礁の海など、幻想的な風景ときれいな音楽の融合に、心が惹きつけられるに違いありません。

名古屋港水族館のスタートは平成4年（1992年）10月。従来の水族館はきれいな海水を近くで供給できる土地であることがひとつの条件とされていましたが、海水の運搬技術や浄化技術の進歩で都心近くでも可能となったのです。その流れをリードする形で、名古屋港水族館は最先端の都市型水族館として誕生しました。

平成13年（2001年）11月には北館がオープン。
日本から南極まで5つの水域の海洋世界を紹介する南館に対し、北館ではシャチやイルカの大型海洋捕鯨生物について掘り下げて紹介する施設となっています。進化をしながら海中生活に適応していったシャチやイルカをはじめとする捕鯨動物の展示や見ごたえあるパフォーマンスは見る人を魅了するでしょう。

さらに、名古屋港水族館は生物の保護や繁殖活動にも力を入れています。
平成7年（1995年）11月にはアデリーペンギンのふ化、平成10年（1998年）10月にはウミガメ科タイマイの初産卵に成功し、世界的に高い評価を受けました。

こうした歴史を重ねてゆき、今や日本で有数の規模と人気を誇る水族館へと成長した名古屋港水族館。
この先も新たなる進化を求め、研究や繁殖活動、そして様々なプログラムを通じて子どもたちに海洋生物とのふれあいや自然の大切さを伝える活動を続けています。